「しなきゃいけない!」と思いつつ、やる気にならないのが確定申告。
例年3月15日ギリギリに税務署に郵便で送付していましたが、今回は心を入れ替えオンラインで一挙に終えました。
《とはいえ消費税の事もあり、例年通り手間取りました。 以下、確定申告に関する単なる愚痴です。》
これまで心身の健康とセキュリティー、デジタルデトックスを大義名分に確定申告は紙で行っていました。 (正確に言えば、国税局のホームページにデータを入力し、PDF出力したものを紙で提出していました。)
セキュリティー面で風通しが良すぎるデジタルやクラウドをさほど信用していないからです。 言い方を変えれば個人情報がトレースできない紙のお札と紙の書類が大好きなんです。 それは今も変わりません。
私がデジタルやオンラインを避ける遠因となるエピソードは下記の「実社会でのミステリー」で少し触れています。
でも、還暦からほぼ一年、心機一転、違ったやり方、違った生き方を楽もうと思います。 その最初の試みが、お正月明けに受けた目の手術。 そして今回の確定申告です。
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確定申告
白色申告の個人事業主の場合、確定申告には収支内訳書、所得税申告書(第一表、第二表)、消費税申告書が必要です。
消費税申告の締切りは3月31日なので少し余裕がありますが、今年は所得税と共に3月2日にe-taxで送信しました。
因みにカードリーダーがあれば、便利かと思いますが、スマホで普通に読み取れるので問題ありませんでした。
マイナンバーカード
2023年、例年より早く申告しようと思った理由は単なる好奇心。 単純に還暦記念として、初めての事をやってみたい、というだけの事です。 要は昨年11月に取得したマイナンバーカードを使ってみたかったのです。
これまで、「支払いは現金、書類は紙」を基本に、修行僧のようにデジタルデトックスを心がけ、時流に逆らうことに楽しみを感じていました。
その考えが変わったのは、還暦を迎え、老いが近づいた諦めでしょうか、新しいコトを受け入れる覚悟ができました。
市町村のサービスが加速度をつけてマイナンバーカード利用にシフトするのならば、意固地にならず、利点を探し、上手に利用する方が有益と考えたのです。
日々の生活の中、デジタルデトックスを心がけても、デジタルデトックスに縛られる必要はないと考えをシフトしました。
やり直しがきくe-tax
確定申告を行うにあたり、マイナポータルアプリからマイナンバーカードを読み込ませ、初めてe-taxに登録しました。
e-taxとマイナンバーカードを使って確定申告を行って見ましたが、書面提出でもe-tax送信でも手間は全く変わりませんでした。
書面提出であっても、国税局のホームページ上で入力する限り、内容は何も変わりません。 違いは、どのようにアクセスし送信するか、という事だけでした。
プリンターで出力したり郵便投函する手間に代わり、スマホのマイナポータルアプリからQRコードを読み込み、パスワードを入力してマイナンバーカードを読み込む作業が必要です。 それを便利と感じるか手間と感じるかは、その人の考え方次第でしょう。
むしろ、e-taxの一番の利点は「やり直しが効く」こと。
これまで、確定申告は国税局のホームページに入力後、プリントしては何度も見直し、最終的に大丈夫と判断した段階で、暫く寝かし、3月15日の締め切り直前に切手を貼って投函しました。
つまり、紙やインクを使い、一回ぽっきりの申請でした。
今年は、オンラインの為、送信するだけで完了しました。 紙もインクも切手も使いません。 送信後、誤りに気付けば、都度、訂正して送信しなおせば、それで済みます。 現に、計算間違いを見つけたり、領収証が後で出て来た事もあり、数日の間に何度か送信しなおしました。
昨年までは「3月15日(消費税は3月31日)まで待って、ギリギリに申告する」という考えに縛られていましたが、即時にやり直しできるなら、誤りに落ち込んだり失敗を気にする事もなくなります。
免税、非課税、不課税
何度聞いても混乱するのが免税、非課税、不課税。
消費税の申告時に分けて記入しなければなりません。
例えば租税公課は不課税、補助金や寄付も不課税、輸出は免税、住民票や外為手数料は非課税です。
輸入の場合、通関時に消費税を支払いますが、輸出は免税です。
国内で仕入れた商品を海外に輸出する場合、売り先に消費税を請求できない為、仕入でかかった消費税を税務署に払い戻してもらわなければ利益がなくなってしまいます。
売上減でも課税業者
通常、売上高1,000万円がボーダーラインとされますが、輸出割合が高い事業主は、このボーダーラインに拘わらず、課税業者になっておく方が有利です。
三国間貿易(オフショア取引)ならば海外で仕入れ、そのまま他国に輸出するので、そもそも消費税は発生しませんが、日本で仕入れて海外に輸出する場合は、仕入時に10%の消費税を払っています。 免税で輸出すると仕入金額の消費税分を損する事になってしまいます。 海外から仕入れた物品についても、三国間貿易(オフショア取引)ではなく、一旦、日本に輸入した後、他国に輸出する場合は、輸入通関時に税金を支払う事になりますので、支払った消費税を申告し、還付を受ける必要があります。
その為、私は、売上が1,000万円を超えようが、超えまいが関係なく課税業者として消費税を申告しています。 別の言い方をするならば、めでたく国内売上が爆増した上で売上が1,000万円を切った暁には、喜んで課税業者を辞めようと思っています。
輸出の割合が多いと、10%の消費税の還付は馬鹿になりません。
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アップルの事件と消費税還付
少し以前のニュースですが、輸出を生業とするものにとって、アップルの事件は、心に引っ掛かります。 www3.nhk.or.jp
BtoBで仕事をしている私には転売ヤーは関係のない世界です。 ましてや、店舗を持っていないので国内で免税販売を行うことは不可能です。
それでも、海外の客先の中には、出張時に立ち寄り、「キャッシュで払うから、在庫があれば、そのまま持ち帰りたい。」と仰る方はいます。 恐らく、手荷物で持ち帰ることで自国でかかる輸入時の税金を払わずに済ませたいのでしょう。 または何らかの事情で国外からの仕入として計上したくないのかも知れません。
そうなると、致し方ありません。 こちらとしては、輸出ではなく国内取引として消費税10%をオンした形でインボイス(請求書)を切り、国に消費税を支払います。 (外国の客先からは文句を聞かされますが、他者の都合に付き合う事で生じるリスクを背負う筋合いも余裕も私にはありません。)
最後に...
私がとらわれていた「しなきゃ」
「幾つになっても元気に働くべし。」「幾つになってもオシャレをすべし。」...この2つは呪文のように周りから聞かされましたし、今も耳にします。
でも、還暦を過ぎた今、年相応の働き方、年相応のオシャレで十分だと思っています。 また、この年齢になると巷から聞こえるのが「子供の結婚」と「孫」の話。 周りから聞かされる「当たり前」という言葉にも馬耳東風を心がけたいと思います。
今、縛られているのは「いつまで働くか」「いつまで働けるか」という現実。 厚生年金が殆どない身の上には「いつまで働かねばならないのか」という問題も切実です。 それもこれも自分で決めた人生。 自己責任です。 「周りの人」と「社会」への感謝を忘れず、与えられた「役割」と「運」にも感謝して生きて行こうと思います。
... それでも「しなきゃ」ならないのは確定申告。 個人事業主である以上、これだけはサボるわけには行きません。
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最後まで確定申告の愚痴にお付き合い下さり、有難うございました。 m_ _m
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