今週のお題「ほろ苦い思い出」
今から40年近く前に働いていた会社でのゴディバの思い出。 ほろ苦い以前に、ほとんど食べる事が出来なかった残念な思い出です。
昭和の職場
当時、インターネットはなく、海外とのヤリトリはテレックスとFAXが中心でした。
そんな中、ヨーロッパの代理店とは、よく連絡を取り合いました。
特によくヤリトリしたのが、Vさんというベルギー人男性でした。
フラミッシュとフランス語を話すVさんの英語は私のような日本人には分かりやすかったのですが、母語ではない為、時々、誤りもありました。
例えば、How long~? というべき所を How many times~? と聞いてくる為、内容を取り違えてしまう事が何度かありました。
その為、FAXやテレックスで文書は残し、できるだけ口頭で意図を再確認するよう心掛けました。
その日もVさんから受信したFAXの内容が曖昧で、語学力も理解力も足りない私は意図を掴みかね、直接、電話で確認する事にしました。
冬の間、ベルギーと日本の時差は8時間です。
夕方になるのを待ち、Vさんの会社に電話をしました。
口頭で確認した所、誤解は解け、対応を約束しました。
チョコレートといえば...
その時、雑談の中で、なぜかチョコレートの話になりました。 当時、友人から「チョコレートと言えばスイス!!」と聞かされていた為、そのまま、そのセリフを伝えた所、「違う!違う!チョコレートといえばベルギーだ!!」 と受話器の向こうで声を荒げます。
「そうなの? 知らなかった。」と答えると、「なんで?ゴディバを知らないの?」と益々大きな声になります。
「ゴディバを知らない? あっ、発音が違う? ゴダイバって言えばわかる?」とさらに食いついて来ます。
余談ですが...
スイスのチョコレートと言えば、リンツ。
こちらもスイスのチョコレート
「残念ながら、私はゴディバもゴダイバも知りません。 食べてみたいから送ってくれない?」と言った所、『世界企業ゴディバは元々、ベルギーで創業したチョコレートメーカーでベルギー王室ご用達の会社である』etc、ひとしきり話を聞かせてくれました。 そして最後に「わかった。1kg送ってやろう!!」と言ってくれた所で電話を切りました。
1キロのゴディバ
その後、ひと月が経ち、忘れかけた頃、会社に私宛のクーリエ便が届きました。
確かDHLだったと思います。
仕事関係の商品かサンプルだと思い段ボール箱を開けた所、そこには大量のチョコレートが入っていました。
約束通り、ゴディバのチョコレートを1kg送ってくれたんだ!! いや、どう見ても1kg以上入っている!!
感激し、口頭でお礼を言いたいと思ったものの時差があります。
夕方に忙しくなり電話ができない場合もある為、お礼の文章とイラストを描き、すぐにFAXしました。
ここまでは良かったのですが。。。
ワンマン社長にとって「お前のものは俺のもの」?!
受け取った大量のチョコレートが入った段ボール箱を持ち、事務の女性の席に行きました。
社内の皆で美味しく食べるべく、差し入れしようと思ったのです。
事務の女性は「いいよ~。あなたが貰ったんだから、全部、自分で食べなさいよ。遠慮しないで! 家に持って帰りなさいよ!!」と言ってくれたのですが、会社で受け取った限りは会社の皆のモノです。
当時の会社は社長夫妻を含め、社員5~6人の小さな会社だったので、1kg以上あるのならば、お昼休みや休憩時間に皆が自由に食べても十分だと思いました。
「社長や奥さんも誘って、みんなで少しずつ食べましょうよ。」と話し、「では!!」と最初の一口を食べた瞬間、ドアが開きました。
外出先から社長が帰って来たのです。
社長は一旦帰って来ただけで、すぐに取引先に向かうとの事でした。
その準備もあってか、慌ただしく事務所の中を歩き回った社長はチョコレートの箱に目を留めました。
すかさず、私が「社長、コレ、Vさんがベルギーから送ってくれたチョコレートです。 たくさん貰ったんで皆で食べようと思って... 社長もいかがですか?」というと、「おお! ええもん貰ったな! 今から客先に行くから貰って行くわ。 客先のY社長が絶対に喜ぶわ!」と言って、私の手から箱ごと取り上げました。
「ええ~っ!」と不満な声をあげる私に「ええやないか!」と言って、そのまま箱を持ってドアに向かい、一瞥もせずにドアを締め、客先へ向かいました。
。。。という事で、1kg以上あったと思われるチョコレートの内、私が食べる事が出来たのは一粒だけ。 他の社員は食べずじまいです。
その後、チョコレートをくれたVさんにどう言うべきか悩みました。
狭い世界、おしゃべりな男の人(女の人も?)が多いニッチな業界界隈、誤ったストーリーが面白おかしく伝わると目も当てられません。
特に「せっかくあげたプレゼントをさっさと他所の会社の他人にあげた薄情な奴」と思われるのも悔しいです。
結末はほろ苦く
愛すべきワンマン社長(?)の悪口に聞こえるのは嫌でしたが、Vさんには状況説明のメッセージをFAXしました。 異なるストーリーが他所から聞こえる前に自分自身がVさんに状況を説明する責任がある、と思ったからです。
Vさんがゴディバを会社に送って来てくれた為、独り占めせずに社内の皆で食べたかった旨。 社長にも食べてもらおうと声をかけた所、取引先のY社長がチョコレート好きとの事で、箱ごと持って行ってしまった旨。 私は少しだけ食べて、本当に美味しかった為、きっとY社長も喜んでいるだろう。。。
(VさんはY社長をご存じなので、正直にそうメッセージしました。)
贈ってくれた本人にとっては面白い話ではなかったかもしれません。
前後して、Y社長の会社からVさんにお礼のメッセージがあったようです。 Y社長は、それが私宛のチョコレートとは知らない為、Vさんが人を通じて自分宛てに贈ったもの、と解釈していたのかも知れません。
後日、Vさんに会った際、「あの紳士たちにチョコレートをあげたつもりはなかった。」と憮然と言われてしまい、それ以後、二度とゴディバのチョコレートを贈ってくれることはありませんでした。
以上、昭和の時代のほろ苦いチョコレートの思い出です。
とはいえ、私が働いていた会社の社長も取引先のY社長も喜んでいたのは良いことです。 残念だったのは、社長の奥さんや事務の女性、その他、一緒に働いている人達に食べてもらえなかった事。
まあ、私は一口だけでも食べれたので良しとしますが。。。
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今日も昔話にお付き合い頂き有難うございました。 m_ _m
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