本日(9月30日)は世界翻訳の日です。
翻訳というと... 気になったのは数カ月前の文春の記事。
以下、老人の戯言とご容赦ください。
翻訳内容よりも誰が訳すかが重要?!
昨今、耳にする多様性という言葉。 不思議なことに多様性を訴えるあまり、意図せず、それを否定する奇妙な現象も起こるようです。
一年遅れの文春記事
文春砲で有名な週刊文春。 芸能ニュースやスキャンダルの報道は最速ですが、それ以外は他紙から1年も遅れた話題を記事にする事もあるようです。 下記は2022年5月の文春の記事。 この話題が欧州で大問題になったのは1年以上も前、2021年3月頃の事です。 記事はアマンダ・ゴーマン氏の詩の翻訳が国際問題に発展した、という内容。 (1年遅れになった理由は、恐らく、その作品の日本語訳版が出版されるのを待っての事だったと想像されます。)
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因みに翻訳の日の謂れについてはコチラをどうぞ。 ↓
アマンダ・ゴーマン
アマンダ・ゴーマンさんは2021年1月20日、アメリカ合衆国第46代大統領就任式で自作の詩を朗誦したことで有名な詩人です。 当時、22歳の若い女性でThe Hill We Climbという作品がベストセラーになり、日本語版は『わたしたちの登る丘』という題名で鴻巣友季子さんが翻訳されました。
翻訳者は若い黒人女性が望ましい?
アマンダ・ゴーマンさんは、こんな人です。 ↓
翻訳者は若い黒人女性が望ましいという言葉を受け、文春の記事より1年早く、欧州では色々なメディアが問題視しました。 事実、オランダ語の翻訳者とカタルーニャ語の翻訳者が降板しました。
特にオランダ語の若き翻訳者は作者であるアマンダ・ゴーマンさん本人も支持を表明したにも関わらず降板することになりました。
降板の理由はアフリカ・スリナム系オランダ人ジャーナリストであるジャニス・ドゥル(デウル)さんをはじめとする活動家より(ゴーマンさんの作品の翻訳者に)『黒人が採用される機会が失われた』という言葉を向けられての事だったようです。
また、カタルーニャ語の翻訳者はスペインの版元ではなく米国側から「ふさわしくない」と連絡があり、その理由は「翻訳者は女性で、若く、活動家であることが必須で、黒人が望ましい」と伝えられたとの事です。
その為、「21世紀の若い米黒人女性でないという理由で詩の翻訳ができないなら、紀元前8世紀のギリシャ人でないからホメロス(Homer)だって訳せない。16世紀の英国人でないからシェークスピアも訳せなかったはずだ」という論争にまで発展しました。
欧州にはアフリカ大陸における植民地支配の歴史もあり、アジア人である私の理解を超える感情が根底にあると思います。 しかし、原作の魅力を最大限に引き出し他の言語に訳すことが翻訳の目的ならば、作品の出来栄えに無関係なカテゴリー分けを訳者に課し、作品の魅力が伝わりにくくなるのは作者にとっても読者にとっても悲しい事と思えます。
なお、この作品を日本語に翻訳された鴻巣友季子さんは日本舞踏家を母に持つ1963年生まれの日本女性です。
不自然な日本語が望まれる事もある
アマンダ・ゴーマンさんの詩についての文春記事と時期を同じくして、ネット上で気になる投稿を目にしました。
外国人の日本語
それは「綺麗な日本語に翻訳した結果、依頼元にダメ出しされた...」という嘆きです。
ダメ出しは「スムーズな日本語を避け、明らかに翻訳文とわかるような文体(直訳調)に直してほしい。」という内容だったようです。
元から日本語で書かれたかと思えるくらい自然な日本語で正確に訳した訳文が却下され、日本語として不自然で「外国語から訳した文章です!」と一目でわかるような文体が要求される、という不思議。
当然、行き過ぎた意訳は論外です。 また、媒体やテーマにあった文体、登場人物のキャラクターにあった言葉遣いは必須です。 その為、どんな文が最もふさわしいのかは状況によって異なるところですが、少なくとも、一般的な読者が直訳を望んでいるとも思えません。
結局、前述の翻訳者は要望に基づき、綺麗に訳した文章をわざと崩し、不自然さが残る日本語に修正することで依頼元に満足頂けたようでした。
依頼元の狙いが何かはわかりませんが、分業が行き届いた会社の場合、校正を行う人の仕事を安定して確保し、校正作業がし易いフォーマットにすることが目的なのかも知れません。
単に呟きを目にしただけですので、真相も真意もわかりません。 関わる人は全員、各自の考えの中でより良い作品に仕上げようと努力しているのでしょう。 外国語の作品が作者の手を離れ、別の言語に置き換わる途中で色々な人の手を経ることとなり、混乱が生じるのは仕方ないのかも知れません。
最後にグルメ(?)情報を少しだけ...
京都の英国風パブ
京都東山三条の英国風パブ ピッグ&ホイッスルというお店が気になります。 (下記をクリックすれば食べログでお店の詳細や口コミを確認頂けます。)
ピッグ&ホイッスル
不思議な響きの店名です。
実は、この店名には思い出があり、京都のこのお店の存在を知る何十年も前から気になっていました。 調べてみたところ、Pig&WhistleはMilking Pail and wassail (ミルクバケツと健康)と言う英国のパブから生まれた言葉が由来とのことです。 (この店名には関係ありませんが語源の書籍 ↓)
ピッグ&ホイッスルの由来
昔、英国のパブではミルクバケツに入ったビールをジョッキに入れて飲んでおり、そのジョッキはPigsと呼ばれ、"Pige washael" 「健康を祝って乾杯」という乾杯の言葉があったそうです。 (現在も〝Pige washael"という名前は英国各地で残っている、と言われています。)
大阪心斎橋のピッグ&ホイッスル
さて、これは私の個人的な思い出。 昭和の昔、ピッグ&ホイッスルは大阪の心斎橋(当時、ヨーロッパ村と言われていた辺り)にあり、もっとお気楽で雑然とした英国パブだったように思います。 私がよく訪れたのは昭和の終わり(1980年代後半)でしたが、お店自体は1970年代から営業していたようです。 黒ビールを立ち呑みしながら友人を待っていたことが昨日のように思い出されます。 聞いた話では、2008年に閉店した、との事。 青春の1ページが消えてしまい寂しいです。
京都に同じ名前の店がある事を知り、調べてみてようやく、店名の由来を知ることができました。
今日も最後までご覧頂き有難うございました。 m m
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翻訳と言えば、日本で知られる「千夜一夜物語」は英語版からの日本語訳なのでペルシャやアラビアで語られている元々の説話とは異なる、と聞いたことがあります。
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